2019-01-01から1年間の記事一覧

今後増えていく社会保障費をどうするか

一般的な通説として、「今後日本は高齢化に伴い社会保障費の増大が問題となり、国家財政を圧迫する」というものがあります。メディアは基本的にこの論調ですし、それに賛同する人も少なくないのではないでしょうか。結果として下記のような議論が出てきます…

医療関係の報道について

マスコミの医療報道について思うところはたくさんあるのですが、今日はこの記事を取り上げたいと思います。 病院側、請求棄却求める 誤診で副腎摘出、旭川地裁 https://mainichi.jp/articles/20190925/ddl/k01/040/068000c 健康な左副腎に疾患があると誤診さ…

公的病院、名指しで再編検討指示

日本には2017年時点で1652の公立・公的病院があるそうです。 一方で医療には「不採算部門」と呼ばれる科があります。かつては産科、小児科、救急などがその代表とされており、現在でもその傾向は変わらないようです。では不採算部門が不要かといえば決してそ…

日本の国会議員の数は多いのか?

日本の国会議員はしばしば「数が多すぎる」「報酬が高すぎる」という批判を受けます。そこで今日は国会議員の数について考察してみます。 日本の国会議員定数は、wikipediaによれば2019年現在で衆議院465人、参議院248人の合計713人です。 では世界ではどう…

大学の理系論文数、20年間伸びず

今日はこの記事を取り上げます。 大学の理系論文数20年間伸びず 競争原理導入、奏功せず https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190907-00000134-kyodonews-soci 日本の大学の理系論文数が、政府による研究予算の抑制や競争原理拡大と軌を一にして2000年ごろ…

MMTと医療について考える

MMTを医療財政に活用できないか 政府の財政出動においてその制約となるのは供給能力です。では医療における供給能力とは何でしょうか。医療というサービス(この言葉は嫌いですが今回はわかりやすいので使います)を供給する上で必要なものを列挙します。 ・…

日本の科学研究の危機②

前回、運営費交付金が減っていることを取り上げましたが、日本の科学技術予算の総額が減っているわけでありません。 前回記事はこちらです。 hopeforthebest.hatenablog.com 問題はまた別のところにあるので、今回そこを取り上げます。 日本の研究開発費総額…

日本の科学研究の危機

私は現在大学で研究を行っていますが、今日は気になったこの記事を取り上げます。 https://mainichi.jp/articles/20190726/k00/00m/040/291000c この十数年間で大学などの自然科学系の研究者数は増えたものの、主要学会の会員数は大幅に減少し、中には3割以…

現代貨幣理論について簡単に

現代貨幣理論(MMT)について皆さんご存知でしょうか。 つい先日、MMT提唱者のステファニー・ケルトン教授が来日し、講演会が開かれました。そのことを報道で知った人もいると思います。 今回はそのMMTについてその基本を解説します。 MMTって何? MMTとはそ…

経済学の歴史について簡単にまとめてみた

経済学にはたくさんの流派があります。経済そのものがとっつきにくいところなのに、流派があるというのは余計にとっつきにくさを増やしてしまうのではと思います。 今回は経済学の歴史についてなるべくかみ砕いてお伝えしたいと思います。今回出てくる流派は…

夜間救急をお得に受診する方法

暑くなってきましたが、みなさん体調はいかがでしょうか。今回は体調を崩してしまって病院を受診する際に、少しでもお得に受診する、あるいは損をしない方法をお伝えしたいと思います。 医療費の計算方法について まず基本的な医療費の計算方法についてです…

医療費に消費税がかからないという問題

医療費には消費税がかかりません。厳密には健康保険の適応の範囲内の診療については非課税、保険適応を超えるものについては課税となっています。 医療を受ける側としては嬉しいことかもしれませんね。しかし医療機関側としては非常に大きな問題となります。…

市中銀行は無限にお金を貸し出せる?!~預金をゼロから作り出す~

前回はお金の発行における日本銀行の役割について述べました。 今回はより我々の生活に密着している市中銀行の役割について述べてみます。 現金と預金の関係 銀行は手元の現金以上の額の貸し出しができる? 銀行は貸し出すときに預金を発行できる 銀行は無限…

お札と硬貨で発行元が違う?!~お金について考える~

みなさん、お金は好きでしょうか。 好きか嫌いかと聞かれると即答しにくいかもしれませんが、「お金なんて全くいらない!」という人はいないのではないでしょうか。 当たり前のように世の中に流通しているお金ですが、お金の正体について考えてみたいと思い…

意外と貧乏?~医師の出費について~

前回は無給医問題を取り上げました。 今回は医師を続けていくのにどれくらいお金がかかるのかという話をしたいと思います。 何にお金がかかるの? ①医学書 ②学会費 ③大学院の学費 ④職場の飲み会 何にお金がかかるの? ①医学書 いわゆる専門職といわれる職業…

無給医問題について

まずはこちらの記事からご紹介します。 日本経済新聞 2019年6月28日の記事より https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46691800Y9A620C1CC0000/ 50大学病院で「無給医」2000人超 文科省調査 文部科学省は28日、全国の大学病院で働く医師・歯科医師のうち、21…

ブログ開始のご挨拶

はじめまして。 本職として医療関係の仕事をしている30代です。 最近、経済について興味が出てきており、いろいろと勉強をしています。 このブログでは医療のこと、経済のこと、時事のことなどを取り上げていけたらと思います。 よろしくお願いいたします。