意外と貧乏?~医師の出費について~

前回は無給医問題を取り上げました。

今回は医師を続けていくのにどれくらいお金がかかるのかという話をしたいと思います。

何にお金がかかるの?

医学書

いわゆる専門職といわれる職業はどれもそうだと思いますが、仕事以外にも勉強をしていく必要があります。医学書は基本的にかなり高価です。平均で1冊1~2万円で、それを何冊も買うことになります。医学が進歩すると医学書の情報は古くなってしまい、一定の間隔で新しい本を買うことになるので、その都度出費がかさむことになります。

②学会費

・年会費

医師の場合はさまざまな学会に所属しています。「日本内科学会」、「日本外科学会」など数多くの学会があり、多くの医師は複数の学会に所属しています。私自身は7つの学会に所属しており、年間約10万円の学会費を支払っています。7つが特別多いわけではなく、医師によってはもっと多くの学会に所属している人もいます。

・専門医の申請料や更新料

多くの医師はそれぞれの学会が認めた専門医という資格を有しています。日本内科学会が認める「総合内科専門医」や、日本外科学会が認める「外科専門医」などです。専門医の取得にもお金がかかり、また数年単位で更新をするのですがそれにもお金が必要です。1例として総合内科専門医の場合、専門医試験の受験料で30,000円かかります。

そして専門医の維持のために学会の学術大会に参加する必要が出てきます。学術大会に参加する場合には、その旅費と参加費が必要です。学術大会の多くは東京近郊で開催されるので、地方在住の場合、交通費・宿泊費・参加費すべて合わせると1回あたり5~10万くらいでしょうか。専門医を複数持っている医師も多いですが、維持するためにはそれぞれの専門医ごとに別の学会が主催する学術大会に参加する必要があるので、さらにお金がかかります。

③大学院の学費

医学博士を取るは大学院に入らないといけません。その場合の学費は国立大学で年間55万円程度かかります。一般に院生の間は収入が減るので、収入減と支出増のダブルパンチで負担がきます。医学博士を取らない人には関係ないですけどね。

④職場の飲み会

これは半分冗談ですが、一般に医師は高給とみなされており、飲み会の参加費が高く設定されています。医師以外の職種が3,000円、医師だけ10,000円ということがざらにあります。大学病院に勤務している場合、医師の給与と看護師の給与にそこまで差がないのに、飲み会の参加費は大きく変わるのが理不尽なところです。1回1回の額がそこまで高くなかったとしても、ちりも積もれば…ですね。

 

ぱっと思いつくのは以上です。

一般に高収入とみなされている職業ですが、支出も多いので世間で思われているほど自由に使えるお金は多くないのが現実です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。