夜間救急をお得に受診する方法

暑くなってきましたが、みなさん体調はいかがでしょうか。今回は体調を崩してしまって病院を受診する際に、少しでもお得に受診する、あるいは損をしない方法をお伝えしたいと思います。

医療費の計算方法について

まず基本的な医療費の計算方法についてです。

病院で行われる診療・検査ごとに厚生労働省が点数を決めており、それに則って計算します。例えば病院の初診料が282点、レントゲン(診断料含む)が210点というような形です(点数は部位や条件によって変わるので参考までにとどめてください)。加えて夜間診療の場合にはそれに応じた加算があります。

これらの点数をすべて合計し、その合計点数に応じて医療費が決定します。1点10円という計算になるので、例えば合計2000点ならば、かかった医療費は20000円ということになります。多くの方は3割負担だと思いますが、その場合は6000円を窓口で支払います。ちなみに医療費に消費税はかかりません。

おすすめの受診方法

先に結論を言うと日中の受診が圧倒的にお勧めです。日中は忙しくて受診できない、日中は混んでいるからいやだという声も聞こえてきそうですが、夜間の受診をすると損する点を列挙します。

①高確率で非専門医の診察を受けることになる

夜間は病院内にいるスタッフの数が少ないです。医師の数も少なく、小さい病院では当直医1人だけというところも多いです。大きな救急病院だと人手がある程度いるところもありますが、やはり日中に比べると人手が少ないです。

例えば頭痛があって病院を受診する際のことを考えてみます。その際に夜間救急を受診すると、当直医が対応することになります。当直医はいろいろな科で持ち回りなので、例えば消化器内科医かもしれませんし、心臓血管外科医かもしれません。たまたま専門科の医師に当たればいいですが、当たる確率はそう高くはありません。もし日中であれば、脳を専門とした医師(脳神経内科脳神経外科など)の診察を受けられたかもしれません。

②余分にお金がかかる

 病院の診療時間外に受診する場合には、受診した時刻に応じた加算をとることになっています。時間外(6~8時、18時~22時)に受診した場合は85点、休日に受診した場合には休日加算として250点、深夜(22時~6時)受診した場合には深夜加算として480点が余分に足されます。3割負担であればおおよそ点数の3倍の金額(深夜加算であれば480×3=1440円)がかかります。22時~6時の受診は一番お金がかかるのです。

 加えて病院によっては選定療養費という形で、追加料金を取られることもあります。病院によって異なりますが、5000円~10000円程度で、入院が必要となった患者さんは払わなくていいことが多いようです。こちらは健康保険が効かないので、額面そのまま徴収されます。詳しくは各病院のホームページなどをご覧ください。軽症での受診は余分にお金が必要になる可能性があります。

③寝ていない医師に診てもらうことに

 夜間に働いている医師の多くは、日中も病院で仕事をしてへとへとになりながら、夜間救急の対応をしています。夜通し寝ずに救急対応をすることもあります。医師も人間なので、そんな状況では判断力も鈍ります。特に深夜・明け方の受診は医師の判断力が鈍っていることが多いので極力避けたほうがいいかもしれません。

まとめ

夜間救急を受診すると損をするという点をお話ししました。少しでも損を減らすには22時~6時の受診をなるべく避けるほうが無難かもしれません。ただし6時~8時ないし8時半の受診は、徹夜明けの医師に当たる可能性があり、判断力が鈍っているリスクがあります。もちろん必要な時は受診していただかないといけませんが、急を要さない受診についてはできるだけ日中に受診をお勧めします。