日本の国会議員の数は多いのか?

日本の国会議員はしばしば「数が多すぎる」「報酬が高すぎる」という批判を受けます。そこで今日は国会議員の数について考察してみます。

 

日本の国会議員定数は、wikipediaによれば2019年現在で衆議院465人、参議院248人の合計713人です。

では世界ではどうか、各国の議員数がどうなっているかまとめたサイトがありました。

https://www.globalnote.jp/post-14480.html

堂々トップは中国の2975人で、二位がイギリスの1439人です。以降はイタリアが950人、フランスが925人と続き、日本は七位の704人となっています(議員定数と若干ずれがありますが)。

しかし各国で人口が異なるので、単純な比較はできません。そこで人口当たりの人数で上位国を比較してみます。

順位 国名 議員数 人口(億人) 人口百万人当たりの議員数
1 中国 2975 14.3 2.1
2 イギリス 1439 0.67 21.5
3 イタリア 950 0.61 15.6
4 フランス 925 0.65 14.2
5 ドイツ 778 0.83 9.4
6 インド 768 13.5 0.6
7 日本 704 1.27 5.5
23 アメリ 534 3.27 1.6


日本は人口百万人当たり5.5人という結果でした。イギリス、イタリア、フランス、ドイツと比べるとむしろ少ないですが、アメリカと比べると多いようです。中国、インドはかなり少ないですね。そもそも民主主義国家でない中国とは比べるべきでないですが。

ここで注意しなければいけないのは、各国の政治体制です。日本は議院内閣制をとっており、行政のトップである内閣総理大臣は国会議員による選挙(間接選挙)で選ばれます。一方で、アメリカにおける行政の長である大統領は国民による直接選挙で選ばれます。加えてアメリカは合衆国ですので、各州で法律が異なっており、州議会議員の果たす役割が日本の地方議員よりも大きいです。言い換えれば日本のほうが国会議員の仕事の比重が大きくなっています。その点を考慮すると、アメリカより日本が多いと一概には言えないかと思います。

 

改めて個人的な意見を述べると、私は議員定数の削減に反対です。 別に議員でもなければ、家族や知り合いに議員がいるわけでもありません。定数削減に反対する理由としては、人数が少なくなるとその分一人一人に権力が集中してしまうこと、人数が少なくなるとその分優秀な議員も合わせて減ってしまうことがあげられます。

 

感情的になるのではなく日本の議員が果たして多すぎるのかどうか、安易な定数削減をすることが日本の国益にかなうのかどうかを冷静に判断する必要があると思います。