医療機関における新型コロナウイルスへの対応ガイド

日本環境感染学会がガイドを作ってくれました。

http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide1.pdf

要点がまとまっていてわかりやすかったです。

 

とりあえず医療従事者として、保健所に連絡する症例は以下になります。逆に言うとこれに該当しなければ現時点では検査を受けることができないに等しいです。(地方自治体によってはできる可能性もあるようです。)

次の(1)〜(4)に該当し、かつ他の感染症又は他の病因によることが明らかでなく、新型コロナウイルス感染症を疑う場合。
(1)発熱または咳などの呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、新型コロナウイルス感染症であると確定したものと濃厚接触があるもの
(2)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前 14 日以内に中国湖北省渡航又は居住していたもの
(3)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前 14 日以内に中国湖北省渡航又は居住していたものと濃厚接触があるもの
(4)発熱、呼吸器症状その他感染症を疑われるような症状のうち、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、集中治療その他これに準ずるものが必要であり、かつ、直ちに特定の感染症と診断することができないと判断し(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第 14 条第1項に規定する厚生労働省令で定める疑似症に相当)、新型コロナウイルス感染症の鑑別を要したもの


※濃厚接触とは、次の範囲に該当するものである。
新型コロナウイルス感染症が疑われるものと同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があったもの

(4)によれば原因不明の肺炎のうち、集中治療が必要なほど重篤であれば検査を受けることができるようですが、それ以外の(1)~(3)はCOVID-19の診断確定者または湖北省との何らかの接点がないと該当しないようです。あくまで推測ですが、本邦で初めて亡くなった方は(4)の条件に該当したから検査を受けられたのでしょうね。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。検査の条件を決めているのは厚生労働省ですが、すでに中国全土で流行しているわけですし、湖北省に限定するのはやめるべきです。

インフルエンザのように15分で診断できるキットがあるわけではなく、検査には数時間かかります。その状況で検査対象を制限したいというのも心情的にはわかります。幸い検査体制を充実させる動きはあるようなので、それに期待したいところです。